創業五十余年、和服専門しみぬきの京都屋では年間およそ二万点のお着物をお取扱いしております。職人が一点ずつ検品・しみ抜き・洗い前処理・丸洗い・仕上げ・お届けまで総合的に丹精込めて担当いたします。
京都屋では基本的なしみ抜きはもとより、黄ばみや色素の除去など特殊な処理も定期的な研修会などで日々研鑚を積み、お客様のご要望にお応えできるよう努めています。
京都屋の職人が、検品・洗い前処理・しみ抜き・仕上げ・梱包まで担当しております。
お客様の大切なお着物を、心を込めてお仕上げします。
一点一点すべての工程を完全手作業で行っております。
お預りしたお着物一点一点を和服ハンガーにかけ、状態をチェックいたします。ほつれ・虫穴・変退色・紋の不具合などを確認いたします。
検品により見つかった部分のしみ抜きを行います。素材・しみの種類に応じて、しみ抜き処理をいたします。
お着物の衿や袖口、裾回りなどの汚れはブラシ掛けで前処理をします。一点ずつ丁寧にお手入れしていきます。
前処理をしたお着物を一点ずつ専用のネットに入れてドライクリーニングいたします。刺繍、箔使いのお着物からつむぎ、ウールまでお着物に合わせた洗浄時間で丸洗いいたします。
丸洗い済みのお着物は、専用乾燥室で
一枚ずつ和服ハンガーにかけて自然乾燥いたします。洗い当日より丸一日乾燥して次の工程に進みます。
充分に乾燥させて仕上げをいたします。素材や模様など一点一点異なりますので、それぞれに合った方法ですべて手仕上げいたします。
仕上がり後は吸湿性・通気性に優れた和紙付き「たとう紙」に包装します。輸送中の偏りやしわなどの不具合を防ぐため、特注の段ボール箱に入れてお送りいたします。
「何のしみか」「どのくらい時間が経過しているか」などを見極めてお着物に合った方法で、よりダメージの少ない処理をいたします。付いて間もないファンデーションのしみなど軽度のしみ抜きは丸洗い料金内で作業いたしますが、特殊な処理を必要とする場合は別途しみ抜き料金のお見積りをご案内いたします。
汗や食べこぼしなど初めは目立たなくても時間が経つと黄ばみになるしみを「黄変」といいます。黄変の除去には特殊な薬品を用い熱処理を施して少しずつ除去していきます。
箔の種類や色の数も多種多様にあります。微妙に変わる色合いにできるだけ近い色の箔を使い修正していきます。本来の色に合わせるのは難しい作業になりますが、少しずつ色を合わせていきながら、箔の光沢も考慮して作業していきます。
取り切れなかった黄ばみや変退色した部分に、元の色と似たような色を入れて修正していく作業になります。ほとんどの色は基本となる三原色を使い、少しずつ割合を変えて色合わせをしていきます。難しい作業になりますが、定期的な研修会などで実際に色掛けをして技術を高めています。
不意な雨や汗など、水溶性の汚れの付着を防ぐ加工です。万が一しみが付いてしまっても丸洗いをすることによって除去でき、簡単な処理でしみが取れる場合があります。お手入れもとても楽になります。
ドライクリーニングでは落としきれない水溶性の汚れ(汗など)を落とします。黄変防止効果も期待できます。付いて間もない汗のしみは目立ちませんが、時間が経つと黄ばみが出てきます。水洗いできるお着物なら水洗いでいいのですが、正絹のお着物は水洗いできません。そのようなときは「汗抜き」加工をおすすめいたします。
結婚式やパーティーなどでお着物を着る機会があると思いますが、やはり一度お召しになったらクリーニングをおすすめいたします。その他、夏のお天気の良い日には、虫干しをするのも良いですね。
畳んで収納するときに全体を見て、カビや虫による食害がないか確認をするのも大切です。もしカビやしみを見つけたら早めにお手入れしましょう。
長期保管しているお着物は湿気などでカビが発生したりすることがあります。特に梅雨時などは保管に十分気を付けたいものです。大切なお着物ですので、年に一回はお着物の状態を確認しましょう。
お着物はとても高価なお品物です。お客様からお預かりしたお着物を真心込めてお手入れすることが京都屋スタッフの使命であり責任です。年間約二万点のお品物をお預かりし、一点ずつ丁寧にお手入れしております。先輩からの教えを守り、後輩に伝えていくいわば“京都屋気質”ともいえるこだわりを持って質の良い仕上がりをご提供いたします。